人をつなぐ街と海|湘南スタイル  22 東宝ハウス湘南

やわらかな太陽の光に包まれる湘南の海。旅生(りょお)さんは砂浜を歩きながら大 きなお腹に手を添える。まもなく、生まれてくる子どもは女の子。まだ名前は決めて いない。ご主人と一緒に「子どもの顔を見て決めたい」と笑う。旅生さんは、写真家 として活動しながら、地元のアーティストたちが多く集う鎌倉のカフェで働く。旅生 さんが、アートに興味を持ったのは中学生の時。生まれ育った横須賀・秋谷から両親 とともにハワイへ移住。言葉の壁で周りになじめなかったが、アートを通して自分を 認めてもらうことができた。その後、京都の美術大学へ進学して、写真に出合った。 旅生さんは名前の通り旅が大好き。「良くも悪くも、未知のことが待っている感じが 好き。『写真を撮りたいから、どこかに行く』ではなくて、『どこかに行きたいから 、カメラを持って行こう』という感じです」。モロッコやメキシコなど多くの国々を 旅してきた旅生さんだが、ホームタウンに決めたのは湘南。「京都での暮らしもすご く面白かったんですが、やっぱりこの辺りが好きだったんだと気づいて。あまり意識 していなかったけど、海が近くにあることが大切だと。何か悩んだ時とか一人になり たい時とかに『あれ、こういう時、どこに行けばいいんだっけ』みたいな」。ホーム タウンがあるから旅をもっと楽しむことができる。地元の魅力にも気づき、仲間との 人のつながりも大切にできる。結婚を機に新居を横須賀に構え、今はお腹の中の子ど もと向き合う日々を送る。旅は小休止だ。「自分の名前は『旅に生きる』と思ってい たんです。ですが、このごろ『旅するように生きる』なのかなと」。旅生さんと家族 の新しい旅立ちは、ここ横須賀から始まる。

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